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夜勤のお供?栄養ドリンク3選

2021.05.05

森下真哉(高山赤十字病院・日本看護連盟広報委員)

こんばんは。
毎日、お仕事、お疲れさまです。
看護師の業務や職場は様々です、その中でも夜勤は自身の眠気や疲労との戦い。患者さんの対応は夜間も続きます。 そんな中で気軽に短時間で栄養補給ができて、手を伸ばしやすい味方、そう栄養ドリンクです。
ドリンク剤は、一般的に一般用医薬品(第2類医薬品と第3類医薬品)医薬部外品に分けられます。 またエナジードリンクという清涼飲料水に分けられるドリンク剤もあります(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、通称「薬機法」)。
医薬品は、一定の有効成分が配合されており効能・効果が明確に謳えるもの、医薬部外品はそれに準ずるものとして公に認められています。 医薬部外品は、医療機関を受診することなく、薬局やドラッグストア、コンビニなどでも買うことができます。さらに効果効能の表示が改正 (2017年4月以降)されたことで、疲労回復・予防、集中力の維持・改善、身体不調の改善・予防、栄養改善などがこれまでのものより分かりやすくなっています。 今では、さまざまなドリンクが販売されていますので、どれを選ぶか迷うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、栄養ドリンクの中で夜勤中や勤務後の疲労回復にはどれが最適なのかを、その有効成分、飲みやすさ、コスト面から目的に合うようなドリンクを紹介したいと思います。

栄養ドリンクの一般的な成分

一般的な栄養ドリンクには、糖類、数種類のビタミン類、カフェインが共通して配合されています。糖類は、活動エネルギーとして補給されます。 ビタミン群やニコチン酸アミドは糖類をエネルギーに変える働きを手助けしています。カフェインは中枢神経を興奮させることで、一時的に眠気を覚ます、 また疲労を感じにくくする作用があります。

タウリンは、疲労回復以外に胆汁酸と結合することでコレステロールを減らす、心臓や肝臓の機能を高める、 高血圧の改善など、さまざまな効果があると言われています。他にもイノシトールは、水溶性のビタミン様物質で健康を維持するための大切な成分ですが、 カフェインを摂ると同時に失われていくため、より効率的に摂取するためにはカフェインとイノシトールが一緒に入っているものがおすすめされます。

リポビタンD

写真:大正製薬商品情報サイト https://www.catalog-taisho.com/00347.php


おそらく誰もが知っている人気商品には理由がある、栄養ドリンクの定番といえる「リポビタンD」、栄養ドリンクの中でも特に漢方などの味のクセがなく本当に飲みやすいです。疲れた時のビタミンB群、タウリン、カフェイン、イノシトールと疲労回復に欲しい成分が配合されています。また人工甘味料(スクラロースやアセスルファムK等)ではなく 白糖が配合されていますので、甘味料の甘さが苦手な人にも受け入れられているのかもしれません。価格も1本100円とお求めやすく、定番の名に恥じない確実な1本だと思います。

成分1本100mL中
タウリン 1000mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
チアミン硝化物
(ビタミンB1)
5mg
リボフラビンリン酸
エステルNa
(ビタミンB2)
5mg
ピリドキシン塩酸塩
(ビタミンB6)
5mg
無水カフェイン 50mg
添加物 白糖、D-ソルビトール、クエン酸、安息香酸Na、香料、グリセリン、バニリン

参考:http://maggiestokyo.org/

チオビタドリンク

写真:大鵬薬品チオビタ商品情報 https://www.taiho.co.jp/chc/brand/tiovita/product/drink/


リポビタンDと成分はほとんど変わりませんが、敢えて違いを見るとなれば、疲労回復効果を狙ったものとしてカルニチンが配合されています。 飲みやすさに直結する甘味についても、果糖ブドウ糖液糖の他にD-ソルビトール、バニリン、香料等も数種類添加されており、バランスを取ろうと していることが伺えます。公式の商品情報では「ミックスフルーツ風味」となっていますので、この辺りにも企業の努力が表れていそうです。ただ何と言っても価格が10本1箱で631円と1本あたり63円とコスパの良いところが魅力ですね。

成分1本100mL中
タウリン 1000mg
イノシトール 50mg
ニコチン酸アミド 20mg
チアミン硝化物
(ビタミンB1)
5mg
リボフラビンリン酸
エステルNa
(ビタミンB2)
5mg
ピリドキシン塩酸塩
(ビタミンB6)
5mg
カルニチン塩化物 100mg
無水カフェイン 50mg
添加物 果糖ブドウ糖液糖、DL-リンゴ酸、没食子酸プロピル、安息香酸Na、pH調整剤、クエン酸、クエン酸Na、D-ソルビトール、バニリン、エチルバニリン、香料

参考:http://maggiestokyo.org/

チョコラBBローヤル2

写真:エーザイセルフケア商品情報 https://www.eisai.jp/products/chocola/chocola_bb_royal2


成分に含まれるローヤルゼリーには精神的疲労に効果のあるアセチルコリンが含まれています、アセチルコリンの働きには副交感神経を活発にする効果があり、 リラックス効果につながります。アミノ酸は、運動後の栄養補給や疲労回復にお勧めされます。チョコラBBではグリシン、L-アルギニン塩酸塩、L-リシン塩酸塩 (L-リジン)がそれに当たります。(ドリンク剤に配合されるアミノ酸として他にもL-アスパラギン酸NaやL-アスパラギン酸Mgがよく見られます。)
さらにトチュウ葉流エキスの生薬も配合されていますから、風邪気味の時や食欲や体力が落ちた場合でも手助けしてくれそうです。
その他にも、タウリンをはじめ、ビタミンB群と上記の定番ドリンクの基本成分もありますので文句ない配合なのですが、1本200円程度と上記2種と比較すると2倍程度のコストになってしまうこと、生薬も配合されているせいか味は苦味と梅のような酸っぱさが表に出ていることを踏まえつつ選ぶことになりそうです。

成分1本50mL中
ビタミンB2
リン酸エステル
15mg
ビタミンB6 10mg
イノシトール 50mg
ビタミンB1硝酸塩 10mg
ローヤルゼリーチンキ 300mg(ローヤルゼリーとして300mg)
タウリン 1000mg
グリシン 50mg
L-アルギニン塩酸塩 100mg
L-リシン塩酸塩 100mg
トチュウ葉流エキス 0.06mL(トチュウ葉として60mg)
ニコチン酸アミド 40mg
カフェイン水和物 50mg
添加物 安息香酸Na、エチルバニリン、果糖、クエン酸、クエン酸Na、バニリン、パラベン、プロピレングリコール、香料、アセスルファムK、DL-アラニン、 エリスリトール、スクラロース、没食子酸プロピル、DL-リンゴ酸(アルコール0.49mL以下)

参考:http://maggiestokyo.org/

番外編:眠気覚ましのメガシャキ

写真:ハウスウェルネスフーズ https://www.house-wf.co.jp/products/detail.php?cd=088115


これまでは疲労回復や眠気覚ましなど総合的な部分で光るドリンク剤をご紹介してきましたが、こちらは眠気覚ましにある意味特化した商品です。医薬部外品のドリンク剤とは異なるエナジードリンクには、他にもレッドブルやモンスターなど人気商品もありますが、こちらは100mlで飲みきりと医薬部外品の商品とほぼ同じ量となっています。
カフェイン100mg、アルギニン500mgが配合されており、炭酸入りということで喉を通るとすっとした清涼感があります。アルギニンは、眠気覚ましドリンクによく配合されている成分の1つですが、アミノ酸の一種で、カフェイン同様覚醒作用の他に免疫機能を強化したり、脳や身体の疲労回復を促したりする効果が期待されます。レモンの香りが特徴的で飲むと甘さ控えめ、ジンジャーの風味、濃いジンジャーエールといった味わいです。価格は、1本190円程度となっています。

成分1本100mL中
カフェイン 100mg
アルギニン 500mg
ナイアシン 20mg
ビタミンB1 3mg
ビタミンB6 2mg
タンパク質 1.2g
脂質 0g
炭水化物 8.0g
リン 1.6mg
カリウム 6.3mg
添加物 果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、酵母エキス/酸味料、炭酸、甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)、酸化防止剤(酵素処理ルチン)、増粘剤(キサンタンガム)、乳化剤、香料、香辛料抽出物

参考:https://www.house-wf.co.jp/products/detail.php?cd=088115

まとめ

栄養ドリンクが現在、多くの種類の商品が販売されており、その成分は90%は共通していて似通っています。筆者としては残りの10%に各社の特色が出ている印象をもっていますが、そこには成分以上に味の好み、飲みやすさもあるんだと感じています。
また医薬部外品の栄養ドリンクは、医薬品よりもマイルドで安全性が高いと考えられていますが、過剰摂取は、医薬品のドリンク剤と同様に注意が必要です。 カフェインの数値は、栄養ドリンク1本当たり約50mgですが、成人の1日あたりのカフェイン摂取限度量は400mg程度としている国もあります (厚生労働省:食品に含まれるカフェインの過剰摂取について)
飲まれるときは、各製品に記載されている用法・用量は守るようにしてください。
栄養ドリンクを選ぶ際の参考に、下記サイトも載せておきますね。ドリンクだけではない食品の各成分詳細をエビデンスも含めて自身で調べることができます。
1) 厚生労働省『「統合医療」に係わる情報発信等推進事業』
2) 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報

注)価格は執筆時のamazonを中心としたネット通販サイトの価格も参考にしております。値段の変動がありますのでご注意ください。

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