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看護記録をスピードアップ!パソコンの便利な小技

2022.04.25

野田 裕貴 のだ・ひろたか

看護師に欠かせない業務の1つ、看護記録。情報共有やケアの評価など、大切な役割のためにわかりやすさや正確さが求められます。作成に時間がかかるため、なかなか業務が終わらない人も多いのではないでしょうか。この記事では、看護記録をすばやく作成するためのパソコンの小技をご紹介します。
看護記録がなかなか終わらずに悩む人は、ぜひ試してみてくださいね。

看護記録のスピードアップで残業を減らそう

看護記録は、看護師の残業と深く関わっています。
厚生労働省と文部科学省が行った調査では、看護職員への「勤務時間が終了しても病院から早く退出できない、または勤務開始時間よりも早く出勤する理由」という質問に対し、「看護記録等の書類作成のため」という回答が57.9%で最も高かったというデータがあります。
出典:「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業、報告書(医療に関する調査)」平成29年度厚生労働省・文部科学省委託、最終アクセス:2021年9月25日

回答した6割近くの看護職員が、「看護記録等の書類作成」に勤務外の時間を使っているということです。
もし看護記録の作成がスピードアップできれば、残業時間を減らせるかもしれません。また浮いた時間を使って、患者さんへのケアやカンファレンスを充実させることも可能です。

電子カルテを使いやすくする小技

cover image by 写真AC

看護記録をスピードアップさせるためには、まずは電子カルテで使える小技を覚えましょう。どの電子カルテでも必ず当てはまるとは限りませんが、あなたの職場の電子カルテの機能を最大限利用することが大切です。

単語の登録機能を使う

単語の登録機能とは、ある単語を「読み」と一緒に登録できる機能です。登録した「読み」を打って変換すると、一緒に登録した単語に変換されます。例えば「はいよう」と入力して変換すると、「廃用症候群」とすぐに変換できるようになります。
医療用語には一発で変換されない漢字や、文字数が多い単語が存在するため、登録しておくと便利です。また単語だけでなく長い文章を登録すれば、いつも使うあいさつの定型文や、カンファレンスのテンプレートをすぐに入力することも可能です。

表示画面をカスタマイズする

電子カルテの表示画面をカスタマイズすることで、看護記録が書きやすくなります。例えば過去の記録を画面の左に、入力する画面を右に表示させておけば、過去の記録を見ながらの文章作成が可能です。バイタルサインや検査データなども、位置や大きさを変えれば見やすくなることがあります。電子カルテによって操作方法や変更できる範囲は違うため、職場の電子カルテで見やすい方法を探してみましょう。

文字入力を速くするキーボードのショートカット

cover image by 写真AC

パソコンに設定されているキーボードのショートカット機能を使えば、文字入力を速くすることが可能です。
ショートカットとは、特定の動作を行わせるための簡単な操作のこと。
例えばある文章をコピーして別の場所に移し替える場合、「マウスでコピーしたい文章を選択して、右クリックして、『コピー』を左クリックして……」という複数の操作が必要ですよね。キーボードのショートカットを使えば、キーボードの操作で簡単にコピーして文章の移し替えが可能です。たった数秒の違いですが、その数秒の積み重ねが記録のスピードアップにつながります。

※この記事で紹介するショートカットは、Windowsでの操作を対象にしています。また電子カルテによって、ショートカットが機能しないことがあります。

すぐに使えるショートカット一覧

文字入力の際、キーボードですぐに使える便利なショートカットをご紹介します。

文章をコピー【Ctrl+C】

コピーしたい文章を選択し、【Ctrl+C】を押すことでコピーできます。「マウスを右クリック→コピー」という操作をしていた人は、【Ctrl+C】を使ってコピーしましょう。

文章を貼りつけ【Ctrl+V】

コピー・切り取りした文章を、【Ctrl+V】で好きな場所に貼り付けられます。コピーと切り取り、貼り付けの3つは、文章の複製や大きな修正に便利です。「マウスを右クリック→貼り付け」という操作と同じです。

文章を全部選択【Ctrl+A】

【Ctrl+A】を押すと、カーソルの位置に関わらず、選択できるすべての文章を選んだ状態になります。
「この文章を全部消したい」、「一気にコピーするために、この文章を全部選択したい」というときに便利です。マウスを左クリックしながら大きく動かしたり、Shiftキーを押しながら矢印キーを地道に叩き続けたりする必要がなくなります。

1つ前の操作に戻る【Ctrl+Z】

文字入力や変換、削除など、1つ前に行った操作を戻すことができます。【Ctrl+Z】は何度も押せるので、押した回数だけ操作が戻ります。
特に長い文章を削除してしまったとき、一発で復元できるので便利です。「編集メニューをクリック→元に戻すをクリック」という操作の代わりになります。

元に戻すを取り消す【Ctrl+Y】

【Ctrl+Z】での操作を、なかったことにできるショートカットです。【Ctrl+Z】で操作を戻しすぎてしまったとき、元に戻す前の状態にできます。「元に戻しすぎたけど、なかったことにしたい」というときに便利です。

入力中の文字をすべてカタカナに変換【F7キー】

【変換キー】を使って文章を変換すると、意味不明な漢字に変換されてなかなかカタカナが出てこないことがありますよね。
そんなときは「文字入力→F7」を使いましょう。入力中の文字がすべて全角のカタカナに変換されます。【F7】を使えば、変換キーをカチカチ押し続ける必要はありません。

まとめ

電子カルテやパソコンの小技を使うだけで、看護記録の作成をスピードアップさせることが可能です。ぜひご紹介した方法を使って、残業時間の短縮やケアの充実につなげてくださいね。

日本看護連盟のコミュニティサイト アンフィニ
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