インタビュー
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国民の生命・くらしを守るため 看護・介護の現場を元気に! さらにその先を目指す

2025.09.16

石田 まさひろ( 参議院議員 )
アンフィニ編集部( 聞き手 )

2025年7月20日に投開票が行われた「第27回参議院議員選挙」の比例代表で、日本看護連盟の組織内候補で看護職の代表である石田まさひろ候補が当選し、参議院議員3期目を迎えることが決まりました。
当落線上とされる予想でしたが、石田候補は15万2649票を獲得し、党内順位も10位で当選を決めました。前回の選挙では18議席を得た自民党は、今回12議席と大変厳しい選挙になりましたが、看護職の希望の灯が消えることはありませんでした。
ここでは、三選を果たした石田議員にインタビューし、厳しい選挙戦を振り返っていただき、また、この先にあるものは何かも示していただきます。

多くの支えを受けて乗り越えた選挙戦

厳しい選挙戦を乗り越えて、当選を勝ち取りました。おめでとうございます。まず、選挙戦を振り返ってください。

本当に厳しかったですね。今回が3回目の選挙となりますが、一番きつかったと思います。
2013年の最初の選挙のとき、自民党の参議院比例代表は18議席を獲得し、私は12番目で、2019年の2回目は19議席を獲得し、12番目でした。ところが、今回の選挙では序盤の予想で、自民党の獲得議席が11~12議席とされたので、選挙期間中は「これまでで最高の票を集めなければ厳しいんです!」と訴え続けました。
7月3日に公示されてから17日間の選挙期間中は、情報が錯綜する中、全国をまわる先々で力強い応援を受け、走り抜けることができました。

 

最終的に自民党は12議席を獲得し、ご自身は10番目となりました。

今回の選挙戦は、今までで最も皆さんの“熱”を感じました。各地で出迎えてくれた方たちの「頑張るぞー」という感じがすごかったのです。それは、最も多く応援に入ってくれた友納さん(友納りお参議院議員)も感じていて、「石田先生への今後の活躍への期待がすごかったです」と言ってくれました。

さまざまな応援といえば、看護職のほかにどのような人たちでしょう?

私は日本看護連盟の組織内候補ですから、もちろん最も大きな支えとなったのは看護職の皆さんです。全国の都道府県看護連盟の皆さんの応援は力になりましたし、今回は看護協会との連携も特に強く感じました。
もともと看護協会が看護連盟をつくり、看護協会の政策を実現するために看護連盟があるわけです。その原点に戻った気がして、両方の組織の出身である私の支えになりました。

そして、看護だけでなく、日本在宅介護協会も応援してくれました。ここまで私は看護だけでなく、介護の現場もまわってきました。国民の生命・くらしを守るためには看護も介護も重要ですから。介護の現場も深刻な人手不足、働き手の高齢化などの課題があり、政治に訴え、法律を変えていくことに取り組んだ関係で応援してくれたのでしょう。

また、日本病院会にもお世話になりました。病院医療はまさに危機的な状況にあります。全国の病院の7割は赤字で、急性期の病院はほぼ100%近くが赤字です。このままだと閉鎖する病院が増え、看護職の働く場もなくなってしまう。そのため、日本病院会と連携して、医療を守る政策をつくっていかなければならないと思いました。

さらに、全国の都道府県議会議員など地方自治体の議員の皆さんです。現場である地方の議員と連携しなければ、政策を進めることはできません。今回、私が訪問することのできなかったところでも、仲間の議員が「石田まさひろ!」と訴えてくれました。

参議院議員3期目に取り組むこと

それでは、これからのことをお聞きしたいと思います。まず、何に取り組まれますか?

秋の補正予算を組むことです。次に12月末の来年度の予算、そして来年の診療報酬の改定ですね。医療を守り、看護職の処遇を改善しないことには始まりません。

実は、6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025について」、いわゆる骨太の方針において、「物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し」の項目が立てられ、その中に「公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ」を入れ込むことができました。これは本当にうれしかった。来年には看護職の給料が確実に上がるのです。

ただ、来年まで待っていられません。そこで、秋の補正予算において、26年度の処遇改善を前倒しで持ってくることを訴えていきます。

 

参議院議員の任期は6年、診療報酬改定の先のことも計画されているのですね。

もちろんです。実は初当選したとき、私の中では18年先、つまり3期目の終わりまでに取り組んでいくことの大枠は考えていました。
1期、2期の12年間を経験し、多くの現場の声を聴くことで、その取り組みの方針がより明確になったのです。だからこそ、今回はどうしても当選し、3期目を務めたかった。

まず、秋の補正予算とお話ししましたが、私はもっと先のことを皆さんにお伝えしたいと思います。それは「看護の現場をよくする」ことです。看護職の皆さんには、もっとベッドサイドで仕事をしてほしい。そして「今日もいい看護ができた」と実感してほしいのです。

看護はとても奥深い仕事です。人生の中で人が弱くなってしまったときに寄り添える。ときに患者さんは家族にも見せない顔を見せてくれる。そういう方がもうちょっと頑張ろうかな、と穏やかに生きる力を取り戻してもらうのが看護の力です。

しかし、今は業務過多、人手不足などでそれができなくなっています。
そこで取り組むのが、看護管理者の頭を毎月悩ませる「様式9」をはじめとした「記録の省力化」です。診療報酬算定の根拠として求められる多くの記録が現場の業務を圧迫しています。さらに、丁寧に制度をみていけば、まだまだ省力化できることが出てくるはずです。これは次回の診療報酬の大きなテーマとなるでしょう。

そのようなことも含め、しっかりした看護を展開できる未来をつくっていきたい。具体的には、N∞[アンフィニ]前号の記事をご覧ください。
3期目は、この新しい看護の未来を確立するスタートの6年間だと思っています。

(取材:2025年7月21日)

日本看護連盟のコミュニティサイト アンフィニ
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