レポート
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投票しなきゃ無言のままだ!

2025.04.04

模擬投票を体験 ポリナビワークショップ2024 in 島根開催

2024年10月20日(日)の午後、島根県出雲市駅前のパルメイト出雲4Fパルメイトホールで、島根県看護連盟青年部が企画した「ポリナビワークショップ2024 in 島根」が開催されました。今回のテーマは「看護の明日は私たちで創る─投票しなきゃ無言のままだ─」で、2つの講義のほかに、模擬選挙「みんなで看護師長を決める!?」が行われました。

松尾英子島根県看護連盟会長の挨拶と青年部・濱田祐菜さんの力強い講義

最初に、松尾英子島根県看護連盟会長から開会の挨拶がありました。
松尾会長は「衆議院選挙真っ只中のこの日に、このような研修ができるのは、偶然とはいえ皆さまの学びの環境としてはベストではないか。選挙や政治に関心がない若者が多いと言われるが、政治に関心が持てるような指導教育をしてこなかったこともあると思う。若い世代の皆さんがどのような研修に興味を持って、やる気を出していただけるのかを考えたい。今日の模擬投票の企画を学び、楽しんでいただき、研修が終わったら、期日前投票で、ぜひ本物の投票をしてほしい」と述べました。

続いて、島根県看護連盟青年部で松江赤十字病院の5年目看護師・濱田祐菜さんが、「看護連盟・青年部活動について」をテーマに講義を行いました。

濱田さんは「夜勤拘束時間が長く、体力的にも精神的にもつらく」なって、最初の病院を退職。今も「長時間勤務の後や忙しく働く日々の中で自分の身体と心をすり減らしてまで“なんで”こんなに頑張っているんだろう。もっと働きやすくならないかな」と率直な思いを話した上で、「看護師という仕事を長くやりがいを持って働けるようにするには、現場の課題を改善していく必要がある」と述べました。

そして、現場の悩みを個人レベルで解決することは難しく、日本看護協会が政策提言を行うことが重要だが、それだけでは足りないこと、看護職のことをよくわかっている国会議員がいないと制度は通らないと指摘しました。

さらに、コロナ禍での看護職の処遇改善は、看護協会・看護連盟・看護職国会議員がいたから実現できたこと、それによって、あらためて「私たちが普段提供している看護の価値が本当に高い」と思ったことも語られました。

濱田さんはほかに、さまざまな青年部の活動、選挙で投じる1票の価値などの話をして、最後に「看護連盟は看護の未来を担う看護師の専門性を支える組織だが、私たちが抱える現場の課題を変えていく主導権は私たち自身が持っていることを忘れないでほしい。そして今以上に政治や選挙に関心を持ってほしい。今日はそんな思いから模擬選挙を企画した。政治や選挙に対してのマイナスのイメージをなくし、選挙に行く大切さを感じ、投票に行こうという気持ちを持ってもらえたら」とまとめました。濱田さんの講義は終始力強く説得力があり、うなずいている参加者も多く見られました。

松尾英子 島根県看護連盟会長

濱田祐菜さん

看護師長に選ばれるため4人の候補が3分間の熱い演説で真剣勝負

続いてワークショップに入り、模擬選挙に立候補する4名の看護師が紹介され、各候補が「自分が看護師長に選ばれるための」3分間の演説を行いました。

4人の候補者の気合の入ったポスター

最初は加藤まきこ候補。隠岐の病院に勤務する加藤候補は、船が出ず、オンラインでの参加となりました。「全ての看護職のやりがいを支えるキャリアアップを支援する」をテーマとする加藤候補は3つの公約を掲げました。1つ目は「しっかりとキャリアを描ける職場環境をつくる」、2つ目は「キャリアに関する経済的な支援」、そして3つ目は「進学・研修などキャリアを目指す際のスタッフ不足・配置調整」で、「加藤におまかせください!」と言い切りました。そして「私が師長になったら、何となく過ごしている日々から、夢や目標に向かってまっすぐ進む、生き生きとした毎日が過ごせるだけでなく、ゲットしたキャリアを生かした働き方で、給与面での評価、意味のある充実した毎日を過ごせるような病棟にしていきたい」と熱く訴えました。

2人目は、いけどひろゆき候補。「医療DXとAIの推進で働きやすい職場環境の実現」をテーマに、医療情報部に10年所属している自分の経験をもとに、2つの公約を掲げました。1つ目の「医療DXとAIを利用した業務効率化」では、複数の機器を用いて業務を行うのではなく、たった1つのスマートフォンに集約化し、電子カルテと連動することによる入力省力化、説明動画を流すことによる患者への説明時間の有効活用を実現するとしました。2つ目は「看護の見える化」で、患者の健康状態の変化における看護ケアの効果を数値やグラフで表すことで理解しやすくし、それをスタッフのみならず、患者にも共有するとしました。「見える化は患者の安心感を高めるだけでなく、看護師の負担軽減ややりがいにもつながる。看護師長としてリーダーシップを発揮させてほしい」と会場に訴えました。

3人目は、三宅みほ候補。「誰もが仕事とプライベートの両立を図れるようなワークライフバランスの実現」をテーマに、3人の子育てをしながらの看護の仕事との両立など自身の体験をもとに3つの公約を掲げました。1つ目は「看護師が働き方を相談できる男女活用推進窓口の設置」で、いつでも相談できる窓口がある安心さを訴えました。2つ目は「24時間対応の院内保育や病児病後児保育、学童保育 の設置」。復帰時に保育園が空いていない、急な発熱時に迎えに行けないなど自身の体験からその重要性を指摘しました。3つ目は「長期休暇の取得」。三宅候補は「看護師は不規則勤務で、連休がほとんど取れない。よくて三連休まで。希望するときに長期休暇が取れることで心身がリフレッシュでき、また頑張れるのではないか」と力説しました。

最後は、「理想の看護を実現する」を掲げた高部としひろ候補。まず、「皆さん、看護師の評価、低すぎませんか?」と会場に投げかけ、3つの公約を述べました。1つ目は「業務改革」で、看護師がやるべき業務をちゃんとできるようにするとし、「書類の管理はクラークを増やし、体位交換を2人で行うときには手の空いている人なら病院長であろうと事務部長であろうと誰でも手伝ってもらい、人材不足を 解決する」としました。2つ目は「急変や緊急入院など不測の事態に対応する看護専門部をつくる」とし、時短勤務や定年退職した看護師に担当してもらい、復帰時に保育園が空いていない、急な発熱時に迎えに行けないなど自身の体験からその重要性を指摘しました。3つ目は「管理職の増加」。高部候補は「責任ある立場なのに手当もつかないのはおかしい」と訴え、その手当分の収入として、インバウンドの方を対象に第2・第4日曜日の人間ドックを設置して増収をめざすとしました。

演説が終了しホッと一息の3候補

この後、4人の候補者による討論会が行われ、それぞれの公約について、質疑応答が交わされました。また、会場の参加者からの質問もあり、それに丁寧に答えることで、各候補の主張がより明らかになる貴重な時間となりました。

全てが忠実に再現された投票場で行われた模擬投票で選挙を身近に感じる

続いて、参加者による投票に移りました。会場の後方に衝立で囲まれた投票場にある投票箱や投票用紙・台帳など全て青年部の手作りですが、忠実に再現された非常に高いクオリティのもの。係役の青年部スタッフの案内もあり、参加者は順調に投票を済ませました。

実際の投票場の雰囲気はそのまま

候補者と会場とのやりとりも活発

休憩をはさみ、いよいよ模擬選挙結果発表の時間がやってきました。4位はいけど候補(2票)、3位は加藤候補(9票)、2位は三宅候補(17票)、そして1位が高部候補(18票)となり、三宅候補とはわずか1票差という薄氷の勝利となりました。

青年部手作りの投票箱

トップ当選した高部候補がダルマに目を入れる

模擬投票後は、日本看護連盟の岡山尭憲幹事による講義「若者の政治参加の意義」が行われました。講演後には、会場の参加者から「模擬選挙をして、1週間後の衆院選には投票に行こうと思った」など嬉しい発言もありました。

最後に、島根県看護連盟青年部委員長の遠藤圭介さんが「現場の看護師自身が現場をよりよくしようと行動しない限り、現場は変わらない。看護の明日は私たちで創る――今日のポリナビを通じてそのように思っていただける方が1人でも増えたら嬉しい。それはきっと患者さんやそのご家族の笑顔に繋がると思う。このような活動を我々青年部は、これからも続けていく。参加者の皆さんも本日学んだことや感じたことをぜひ同僚の方に話してほしい」と語り、ポリナビワークショップは終了しました。

ポリナビを企画・運営した島根県青年部の皆さん

終了後、青年部スタッフが円座になって反省会を開き、「自分の言葉で伝える大切さがわかった」「どうなるのかなって思っていたけれど、実際にやってみると結構リアルで盛り上がってよかった」 「投票に行ったことがなかったが行かなきゃと思った」「アンケートで投票について理解できたのが100%だった。選挙に行ってくれる人が増えたらいい」「今度は会場をもっと巻き込むような仕掛けを考えたい」など感想もあり、反省もありながらも、皆さんからは充実した時間を共に過ごした満足感が感じられました。

参加者全員で記念撮影

(掲載:機関誌N∞[アンフィニ]2025 FEB-APR)

日本看護連盟のコミュニティサイト アンフィニ
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