レポート
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自分の政治に対する考え方が変わったとき

2021.10.20

田中 富三男 たなか・ふみお
( 能代厚生医療センター / 秋田県看護連盟青年部 )

秋田県民が歓喜に沸いた瞬間、それは菅義偉内閣総理大臣が誕生した時でした。秋田県出身として初めて総理大臣となったその人は「日本の中心は政治にあるのではないか」という思いで、政治への門を叩いたと言います。その言葉から政治家の方々が政治に興味を持ったのはどんな理由があったのか、その根源を知ることができれば、もっと私たちは政治に興味を持てるのではないか、と考えました。そして、それをポリナビのテーマにしてみようと。

誰もが、これまでの生活の中で「生の政治」を体験してきている

政治といえば、その言葉の印象では国会、永田町をイメージする人が多いと思いますが、それだけが政治というわけではありません。考えてみると実は意外にも、様々な場所に政治というものが落とし込まれています。

例えば、学校生活で体験する生徒会がそれです。生徒会長への立候補者は学校生活を良いものにするため自分の方針を演説し、生徒は選挙で生徒会長を選ぶわけです。そうして当選した生徒会長は各委員会を束ね方針を決め、いわば国会とも呼べる職員室にいる先生方の承認を得て その施策が行われます。

こういった一連の流れは、まさに政治の縮図そのものだと考えられます。政治に興味・関心がなく若者の投票率の低さが叫ばれていますが、ほとんど誰しもが、これまでの生活の中で大なり小なり「生の政治」を体験してきているのです。国、県、市、自治会、すぐそこに政治はあるのに、それを政治として認識できていないだけなのかもしれない。そして、その政治の世界で働いている人にはそこに行くきっかけや理由があることは確かであり、それを知ることは政治そのものを知るきっかけにはならないだろうか、と考えました。

政治家へのアセスメントを試みた「ポリナビワークショップ in Akita」

私たち看護師も、まず患者さんの情報収集をしてアセスメントを行うように、政治に対しても政治家の情報収集が必要なのではないか、と思ったのです。

そうして、2020年12月13日、第14回ポリナビワークショップ in Akitaはコロナ禍でありながらも感染対策を十分に行い、例年行っていた対面でのグループワークを行わず、講演のみというコンパクトな内容で開催しました。

ポリナビのテーマは「私が政治に興味を持ったきっかけとは」と題し、自由民主党秋田県支部連合会青年局長・青年部長の秋田県議会議員の方々から自身が政治に興味を持ち、政治の世界を志したきっかけについてご講演いただきました。このポリナビはとても充実した内容となり、全国の看護連盟に携わっている人たちにはぜひ聴いていただきたい! ぜひこういった取り組みを他県でも行ってほしい! と、強く思うほどでした。それほど、私の中で「政治という概念」が大きく変わったポリナビになりました。

身近にある気持ちが政治へと突き動かす

それまで私が想像していた「政治に興味を持ったきっかけ」というものは、かの坂本龍馬の名言としても有名な「日本を今一度洗濯いたし申し候」でもありませんが、日本を動かしたい、この国を変えたい、そういったスケールの大きいもの、高い志でなければいけないのだろうか、という先入観がありました。そういったことを考えられなければ、また、品行方正、聖人君子でなければ政治家になれないのだろうとも思ってしまうほどでした。しかし、そういったものより、もっと身近にある「気持ち」が政治へと突き動かすのだと、ポリナビでの講演を通して感じました。

それは「恩返し」と「子どもたち」です。自分を育ててくれたこの地域に恩返しをしたい、そのために自分ができることは何だろうか、という気持ちが政治に繋がっていくのだと感じました。これは、自分が今まで政治に抱いていた「改革こそ政治」のようなイメージから一転し「守るためにはどうするべきか、何ができるか」という考え方も政治であるのだと感じました。そうして考えていくと「変える」と「守る」は表裏一体であることが分かってきました。

「変わらない」を「守る」ために、変えるのが政治

今までと変わらない生活を続けていくためにはその生活基盤の維持が重要になりますが、道路や公共施設などは年月とともに風化、劣化していくという問題があります。そして、時代も変化しそれに伴って住民のニーズも変化していきます。マイナンバーカードやキャッシュレス決済への対応など様々なニーズがあります。つまり、いまある暮らしを守るためには時代に合わせ行政は変わっていく必要があり、政治家として行政を変えていくことは、そこに暮らす人たちの「変わらない」を「守る」ことに繋がっていきます。

結果として「変えた」部分は実績として評価されていくため、「政治=改革」というイメージが出来上がったのではないかと考えます。

しかし、それだけでなく自分たちを守ってくれるために政治はあるのだということを理解できたとき、自分自身もそうでしたが政治を身近に感じることができるのではないかと思いました。この感覚とイメージはもっと多くの人に伝わって欲しいと考え、ここに記させていただきました。

また、「守る」ということについては先に述べた「子どもたち」というのはまさにその典型であると感じました。自分が子どものころに「未来をつくるのはあなたたちだ」といった類の言葉をよくかけられました。しかし、その言葉を実感することは難しく、そんなことを言われたってどうしようもない、という気持ちが正直なところでした。ですが、自分が親になったから感じることでもあるのですが、やはりどう考えても「子どもたちは未来そのもの」なのです。

未来に対して何とかしたい!という気持ちが政治につながる

自分の子どもたちがこれから安全に暮らしていける世の中であるのか、教育、娯楽、さらに先の結婚、子育てなど、先のことを考えるときりがないのですが、根底にあるのは子どもたちが「不自由なく暮らせるかどうか」ということに尽きます。そのことについて不安がある、ということは政治的にもっとこうなって欲しい、不足に思っている部分があるからであり、このままではいけない、何とかしたい!という気持ちが 政治に興味を持つきっかけになる、ということも今回のポリナビを通して感じたことです。

政治に興味を持つきっかけは人それぞれだと思います。そして、最初から政治に対して嫌悪感を抱くのも少し寂しいなと思います。看護連盟の青年部活動を通して若者の政治離れを痛感するところではありますが、冷めた時代だからこそ、人の熱い想いが必要なのだと思います。今回のポリナビを通して強く感じ、意識が変わったことは、テレビに映る人だけが政治家じゃない。

自分が暮らす地域で頑張る政治家がいる。その人たちは、この地域を本気で考え、本気で変えようとしている。その原動力となっている「想い」を感じたら、きっと応援したくなる。こういった気持ちです。私は、こうしたものを広め伝えていくことが自分の役割と考えて、これからも精進していきたいと思います。

日本看護連盟のコミュニティサイト アンフィニ
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