2021.07.14
吉井 雅浩・よしい まさひろ( 佐賀大学医学附属病院 / 佐賀県看護連盟青年部 )
政治を避けていた自分が変わった
私は看護連盟青年部活動に参加するようになって、政治に対する考え方が自分の中で大きく変化したと思います。 以前は政治について「誰かがやってくれる。誰かが決めること。自分には縁がない。関係がない」と思っていました。 また「政治」という言葉は私には重く感じられ、友人や同僚との会話の中でもどこかで避けてきたように思います。 人にはそれぞれ立場や価値観があるのだからと、自分の考えを主張することは自然と避けてきました。
これまでも、仕事の悩みや、解決の糸口が見えない課題、看護に対する思いなど、知人や同僚と語り合うことはありました。 しかし、そこから発展することもなく、思いを発散するだけで、自分たちだけでは解決できない問題だと飲み込んで しまうことが多かったように思います。
しかし、今は「思ったことは声に出していいのだ。他の人も自分と同じように思っているかもしれない。 声をあげると変わるかもしれない。誰かが声をあげないと何も変わらない」と考えるようになってきました。
青年部の活動を通して得たもの
私の考えの変化には、青年部の活動であるポリナビワークショップや自民党青年局に関連した活動に参加したり、 国会議員や地方議員の方々と交流したことが大きく影響しています。自分と同世代やより若い世代、同じ職業・ 境遇の方々と悩みや体験、あるいは問題解決の成功例を共有する機会を得ました。これによって、自分の周囲の 環境に対する見方が変わり、対応できるようになりました。
他県の同職の方、異業種の方など様々な立場の方々と交流し、言葉を交わすことで、これまでの生活では得られな かった知識や情報が身についていると感じます。気が付くと、ふだんの生活で、交流の中で感銘を受けた言葉を 自然に使っている自分がいました。
一人ひとりの思いを共有し政治につなげる
これまで飲み込みがちだった、仕事の中で感じていた考えや思いを声に出し、伝えて繋げていくことが大切だと、 今では思えるようになりました。それぞれが抱え込んでいても何も変わりません。自分たちだけでは解決できない 問題も多くの人と共有し、ともに考え、自分たちで解決できない問題は政治の力で変えていく。そう考えるように なってきました。これも、活動を通して学んだ「自助・共助・公助」と思考を広げていく考え方によっています。
青年部や青年局の方々の活動、一生懸命な姿、考えを行動に移す姿を目の当たりにすると、自然とその思いに引き 込まれていきます。以前、青年部のポリナビワークショップのスローガンに「熱伝導」という言葉が掲げられていました。 現場で解決できない問題を共有し、政治につなげていく活動から、まさにその言葉通りの熱い思いが伝わってきました。
コロナ禍における看護連盟・青年部の役割
新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療者、とくに看護師への社会の関心はこれまでになく高まっているように思います。 日本看護協会と日本看護連盟がいちはやく行政と政治家へ要望書を提出するなど、看護師を主体とする政治的な働きかけも 注目を集めたのではないかと思います。感染症を受け入れる病院で日々奮闘する看護師の方々の思いを共有し、 政治の場に届けることが看護連盟の使命であり、私たち青年部にとっても重要な役割であると考えています。
現場の看護師が「思いが届かない」「期待を裏切られた」と感じて、声をあげることを諦めてしまわないよう、 思いを受け止めて共有し、政治につなげていくことが私たちには求められています。
いまこそ現場の声を拾い上げ政治に届ける時
今でも、私にとって「政治」という言葉は決して軽いものではありません。しかし、活動を通じて私が変わりつつあるように、 多くの看護師が私のような体験をすれば、政治への関心も高まるのではないかと思います。簡単ではないと思うことも多くありますが、 コロナ禍で過酷な状況に置かれる看護師が増えている今だからこそ、現場の声を拾い上げることが最も重要であり、 政治を身近に感じられる重要な時期ではないかと思います。
今後も、看護連盟青年部の活動を通して多くの人が政治を身近に感じられるよう、求められる役割を担っていきたいと思います。
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