2021.03.31
岡本直樹 おかもと・なおき ( 高知県看護連盟青年部 )
選挙権をもってから20数年、私は今まで何回選挙に行っただろうか。恥ずかしい話ですが、数える程しか投票所に足を運んだことはありません。
ここ数年はもちろん毎回投票に行っていますが、20歳から30歳の頃は「政治って遠い存在」「投票に行くのはめんどくさい」って正直思って
いました。今同じように思っている若手の看護師は多いのではないでしょうか。
そんな政治というものを理解しようとせず、興味のなかった私が政治を意識し始めたのは、入院基本料7:1の新設や、重症度・看護必要度などの評価が始まった頃です。
当時、少ないスタッフと増える一方の業務をこなすことに必死だった私は、管理職となり政策や制度の勉強をしていくうちに、自分たちが
提供する仕事量は診療報酬で規定されており、業務内容は保助看法で決められていることを改めて知りました。
そして、その制度や法律は国会で決められていることを認識し、政治が少しずつ身近に感じられるようになりました。
国は、今そしてこれから何に力を入れ、どうしていきたいのか。このことに我々の仕事や環境は影響を受けます。でも、政策や診療報酬の変化に合わせれば、
自分たちのやりたい看護ができるのでしょうか。感じている問題や課題を解決できるのでしょうか。職場や病院で解決できることもありますが、
自分たちの取り組みだけでは解決できない問題は沢山あります。
では、政策を議論する場に看護の視点で意見を言える人がいるとどうでしょうか。私たちの抱いている課題や理想が、政策に反映されやすくなります。
逆に言うと、看護にとってよりよい環境は制度や政策にならないと実現することは難しいでしょう。
今思えば職場の仕事の事だけ考えていたら、このように政治を感じなかったのかもしれません。看護というものを客観的に見つめ、理想と現実のギャップを認識すること、
意識して考えることで見える部分があります。私は数年前に看護連盟に加入し、今では看護の中にある政治を強く意識するようになりました。
政治に興味がないと思っている看護師さんは、やりたい看護、理想の環境を考えてみて下さい。なぜやりたい看護が出来ないのか、なぜ理想の環境に
ならないのかと思ったとき、その延長線上にある政治に気づくかもしれません。
政治がまだまだ遠いと感じている看護師さんも、少なくないと思いますが、自分の仕事の中の「政治」に気が付けるように、また多くの仲間が看護という仕事の
意思決定に自分事として参加できるように、これからも私は青年部活動を行なっていきたいと思います。
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