2021.02.24
前田 和哉(日本看護連盟 幹事)
若いナースの間では、選挙のとき投票に行くことはまだまだ、ハードルが高いと思われていますよね。 私も昔は投票に足を運んだことすらなく、 政治をとても遠い存在に感じていたことを覚えています。今回の寄稿にあたり、 政治を身近に感じた経験について振り返ってみました。
私が訪問看護ステーションの管理者を務めていた頃、診療報酬制度についてよく知っておく必要がありました。そのため、 「介護保険」や「医療保険」の診療報酬が改定される時期には、どんな変更がされるのかを注意深く見ていたのです。
最初はただの点数の変化だと捉えていましたが、点数がアップした項目は「これから国が広めていきたいこと」、 逆にダウンする項目は「これから縮小していきたいこと」だと気がつくと、そこに政治の存在を感じるようになりました。
例を挙げれば、ケアマネージャーのいる大きなステーションへの待遇が手厚くなっていました。また、「夜間の電話対応のみ、 出動はしない」という運営スタイルに対して、報酬が廃止されたりもしていました。これらの変化から「人の層が厚く、 昼夜問わずにナースが駆けつけられるようなステーションを増やしたい」という政治の意図を感じました。
他にも、一日の訪問回数が少ないほど利益が上がる仕組みを知って、「少ない訪問で確実に症状を管理できるステーション」を 評価したいという意図も読み取ることができ、運営の方針に生かしていました。看護連盟で得てきた知識が現場とつながったのは、 この頃が初めてだったような気がします。
僕もそうだったように「管理職になってはじめて、政治とのつながりを体感する」という声をよく耳にします。確かに、上記のような 点数の動きを知らなければ、政治の影響を実感できる若者は少ないのは仕方ないかもしれません。しかしマネージャーになるまで 政治に関心を持てないのは、とっても勿体ないことでもあります。
私が幸運にも早くから政治に興味を持つことができたのは、看護連盟青年部との出会いがきっかけでした。同年代の仲間たちが、 これまで看護師の環境がどう変わってきたのか、政治がどう関わってきたのかイキイキと語る姿を見て、当時20代だった私は 大きな刺激を受けました。物事への興味関心は、人との出会いも大きく影響しているように思います。
もっと若手のナースが政治を身近に感じられるために、近い立場である青年部が楽しく活動し、 メッセージを送ってくれることは 大きな意味があると信じています。この活動をもっと大きく伸ばしていけるよう、担当幹事としてみんなが楽しんで活躍できる場を 整えていきたいと思っています。
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