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現代用語の基礎知識2022 ことばをちからに

2021.12.03

五野井郁夫/島薗進/内田樹/五十嵐太郎/上西充子/辻田真佐憲/北野新太/伊藤真/今野晴貴/本間龍/生島淳/武田砂鉄/土屋彰久 ほか
自由国民社 定価 1,650円

1200ページ以上あった『現代用語の基礎知識』が、3年前、296ページと一挙にスリムになったのは、正解だった。いまやググれば大概の言葉の意味はわかるし、情報は日々アップデートされている。紙媒体の網羅主義的な用語事典は、この点では太刀打ちできないのだから。
紙媒体が唯一ネット媒体より有利なのは、これも言い古されたことだけれど、関連項目を俯瞰的に眺められる点。たとえば『現代用語の基礎知識』の「ジェンダーと人権」というページを開けると「ジェンダー」「フェミニズム」「#わきまえない女」「ジェンダー平等」「フラワーデモ」「シスターフッド」「飲み会を断らない女」などなど、最近の日本で「ジェンダーと人権」問題でどんなことが話題になったか、一気に目に飛び込んでくる。わかった気になる(笑)。
また、巻頭の色刷りページでは、この1年で大きな話題となったトピックが並べられている。ここをザッピングして、この1年間を振り返ってもいいし、気になったことを確認するのもいい。
このように、紙媒体による用語事典の強みは、言葉をくわしく調べるよりも、気になる言葉のページを開いて、その言葉の前後も眺め、ついでに他の知らなかった言葉に出会うという楽しみ方ができる点にあると言っていい。なので、サイズは少し大きめのほうがいいけれど、開きやすいように、ページはかさばらないほうがいい。その意味で、2020年版から50ページ以上増えた点は気になる。
それにしても、表紙のイラストは誰なのか。全部正解できる人はいるだろうか。答えは、8ページ以降の「2021年のキーパーソン」を開いてほしい。

(紹介:Nowhere man)

日本看護連盟のコミュニティサイト アンフィニ
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