2021.05.07
開沼博
Letter To The Future 定価 3520円
福島第一原発の汚染水処理が注目を集めています。あなたは、どう考えますか。
開沼博の<「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか>は、2011年6月、福島第一原子力発電所(フク1)の事故発生のすぐ後に発刊され、注目されました。以来開沼は、毎年福島を訪れ、フィールドワークを行なっています。その成果の一つが、このCDです。なぜCD=音なのか。一つは、原子力発電所では、フク1に限らず、テロ対策の観点から施設内の映像撮影が厳しく制限されているから。もう一つは、文字や映像は恣意的に解釈・編集され、現実を表しているとは限らないから。これに対し、音そのものは選別も解釈も入り込む余地がありません。
フク1では毎日7000人の人たちが、廃炉に向けた作業に当たっています。このCDには、その人たちの「通勤」「入域」から「退出」までの音=「選別と解釈と饒舌さの矯正」が収められています。テレビの報道にはないリアルなフク1の「今」があります。
またこのCDのブックレットには、大森克己による写真集「選別と解釈と饒舌さの強制」が収録されており、福島県出身の作家古川日出男がエッセイを寄稿しています。古川は、音を聴き「考えろ」と提起します。
あなたは、どう考えますか。(敬称略)
(紹介:じゅ ぱんす)
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