2021.03.02
橋爪大三郎
ダイヤモンド社 定価:本体1,700円+税
人は死んだら天国に行くのでしょうか。それとも生まれ変わる? 存在自体がなくなる? どれも正しい気がする。「死とは何ぞや」 「死んだあとはどうなるか」は国や宗教は違えどそう変わらないと思っていたら、どうやら全く違うらしい。本書は、 「死」のとらえ方を切り口に様々な宗教の考え方を概説する。
意外にも各宗派で「死」の考え方が異なるという仏教、「人間は存在しない」というインドの考え、「人は死なない」とみる一神教。 訳がわからないが、その訳のわからなさが多様性との出会いである。「死」がこれだけ多様だとは知らなかった。
本書は、「死」をはっきり意識することで、どう生きるかを考える、世界の多様さを知るという高邁な読み方ができるだろう。 「死」とは何かを考えたいキッズや若者にも合いそうだし、相続や葬式や遺言など現実的な問題に対する知恵袋にもなってくれそう。 つまり、人生のどの段階で読んでもためになりそうな1冊だ。
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