2023.08.08
2023年6月13日、ザ・プリンス・パークタワー東京(東京都港区)で2023年度日本看護連盟通常総会が開催されました。5月には、新型コロナウイルス感染症が新型インフルエンザ等感染症から5類に移行しており、3年ぶりに代議員が全員参加での総会となりました。今回は、第27回参議院議員選挙組織内候補予定者について審議事項に挙げられていました。
新会長ごあいさつ
通常総会には、代議員533名に加えて看護連盟役員・会長など579名が参加しました。髙原静子会長は冒頭の挨拶で、新型コロナウイルス感染症への対応に感謝と敬意を述べるとともに、コロナ禍において、国民に看護職の重要性が認識され、補助金事業、看護職員処遇改善評価料の新設、国家公務員医療職俸給表(三)の改正は、看護職議員、看護連盟、看護協会が協力・連携し、一丸となって勝ち取った賜物であることを強調しました。
また、「看護が多様な場であらゆる世代の人々の健康を支えていくためには、質・量の両面で看護提供を保証することが求められます。そのため、現場での努力だけでなく、政策を決定する国会や地方議会の場で、看護職の意見を代弁する人材を送り出すことが重要です。『現場の声』を届ける私たち看護連盟の組織こそが、政治を動かす原動力となるため、看護政策実現のため、ともに力を合わせて進んでまいりましょう!」と力強く呼び掛けました。
来賓のごあいさつ
続いて、来賓として、日本看護協会の高橋弘枝新会長、さらに、*岸田文雄自由民主党総裁、世耕弘成参議院自由民主党幹事長、加藤勝信厚生労働大臣、*永岡桂子文部科学大臣、阿部俊子衆議院議員、*髙階恵美子衆議院議員、*友納理緒参議院議員がそれぞれ祝辞を述べました(*はビデオメッセージ)。
日本看護協会新会長・高橋弘枝氏
岸田文雄自由民主党総裁(ビデオメッセージ)
世耕弘成自民党参議院幹事長
加藤勝信厚生労働大臣
あべ俊子衆議院議員
石田まさひろ参議院議員
事業計画
議事に関しては、林靖子会長(福井県)と中村明美会長(香川県)が議長団を務め、担当役員が昨年度の事業の実施状況・決算、本年度の事業計画・予算などを報告しました。
本年度の新規事業として、日本看護連盟の効率的な組織運営について、内部ガバナンスおよびコンプライアンスに基づく組織運営を行うために、都道府県会長会など各会の運営・役割の明確化、規約の理解と申し合わせ事項の検討、任期に伴う会長の役割と責任、研修内容の標準化等について、4つのワーキンググループを編成し検討を進めていることが報告されました。また、課金システム導入の検討とともに、「入会のご案内」パンフレットの内容についても検討していく予定であることも報告されました。
デジタル戦略推進部を設置して社会変化に即応するためのDXの推進に取り組むこと、具体的にはデジタルインフラ基盤の確立、各種会議・研修事業における安定的なオンライン化、SNSおよびデジタルを活用した効率的な選挙戦略の推進についてや、若手会員の育成のための青年部活動の基盤づくりとして、青年部を支部として位置づけることの検討、学生会員の拡充も挙げられています。そして、「現場の声」の把握と改善では、課題となるテーマについてWEB調査を行い、「現場の声」を政策提言につなげる根拠を明らかにすることが報告されました。
「現場の声」活用促進委員会報告をする渡部京子委員長
広報委員会報告をする後谷弘美副委員長
青年部活性化委員会報告をする岡山尭憲委員長
審議事項
続いて、2025年に実施される第27回参議院議員選挙の組織内候補予定者について審議され、賛成多数で石田昌宏氏に決定しました。石田氏は2013年の参院選で初当選し、現在2期目を務めています。組織内候補予定者決定を受け、石田氏は、看護の質に見合った処遇改善、さらに国民の感謝に支えられた看護政策の実現など、今後への意欲を語りました。
2023年度名誉会員
本年度新たに、長岡重代さん(山形県)・高野洋子さん(茨城県)・藤澤淑子さん(長野県)・野川文子さん(石川県)・春江ハル子さん(兵庫県)・植岡道玄さん(愛媛県)・丸山眞紀子さん(福岡県)の7名が名誉会員に加わり、代表して長岡さんに名誉会員証が贈られました。
役員交代
さらに、役員の交代が報告され、退任役員を代表して、佐藤澄子監事が「髙原新会長の下、皆さまが連盟のさらなる団結と前進を進めてくださいますことを心より願っております」と挨拶されました。また、新任役員を代表して、髙原会長が「新たな役員とともに、日本看護連盟が生まれ変わることをお約束します。組織の強化、会員増などに向け、私たちにできることを精いっぱいやってまいりたいと思います」と決意を述べられました。
退任役員、新任役員は以下の通りです。
【退任】草彅真子幹事/髙原静子幹事/西川利恵幹事/小阪佳代幹事/勝又浜子幹事/佐藤澄子監事
【新任】髙原静子会長/小阪佳代副会長/近藤美知子幹事長/福田淑江常任幹事/柳谷博幸常任幹事/小林長子幹事/宮本律子幹事/柏崎順子幹事/澤井美智子幹事/田母神裕美幹事/三輪百合子監事
退任役員)右から佐藤澄子監事、草彅真子幹事、西川利恵幹事、勝又浜子幹事
新中央役員
石田まさひろの決意表明
看護現場の環境を少しでも良くしたいーーそんな思いで、これまで参議院議員としてさまざまな政策に取り組んでまいりました。しかし、自分の中では「まだまだ」「もっとだ」と感じています。今、日本社会そのものが激動期を迎え、看護も、もっと変わらなければなりません。看護職員の確保は当然ながら、これからは一人ひとりの「看護の質」も求められる時代です。そして、質が高ければ、それに見合った処遇が必要です。質に見合う処遇を受け、看護師がプライドを持って仕事をし、私生活も豊かに暮らすことができるーーそんな未来を実現するために、私には、まだまだやらなければならないことがあります。皆さま方のお力をいただいて、これからも全力で政策実現に邁進してまいります。
コロナの現場では、看護職一人ひとりが社会の偏見や差別と闘い、プライドを持って仕事をしてくださいました。そのことが国民に届き、看護への感謝の思いを持った国民が、自らの意思で「看護職を助けたい」と考え、処遇改善や賃金アップの実現に力を貸してくれた、そんな気がしてなりません。
まさに、看護の現場の力が国民の感謝を生み、それが看護政策を実現させたのだと思います。私は、この流れをこれからもぜひ続けたい。そして、この流れこそが、より大きな看護政策を実現するために、絶対に必要だと思っています。
今まで、政策の実現に当たって、私が心掛けていたのは、現場の声を聞き、現場の課題を国会に伝え、変えていく努力をすることでした。もちろんこれは、これからも続けてまいります。さらに、私たち看護職がプライドを持って仕事をし続けることが、国民の感謝を生み、その感謝が看護政策を推進していく。そんな政策実現のプロセスをつくるため、いかに看護の仕事が素晴らしく、国民のためになるかを訴えていきたい。そして、より大きな看護政策を進めたい。これもぜひ、皆さま方と一緒に進めていきたいと思います。
あらゆる看護の現場で、一日の終わりに「今日もいい看護ができてよかった」と感じてもらえる環境をつくっていきます。
皆さん、力を合わせて未来をつくってまいりましょう!
(掲載:機関誌N∞[アンフィニ]2023 AUG-2023 OCT)
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