2021.04.28
4月9日、木村やよい衆議院議員が衆議院厚生労働委員会で「日本の潜在パワーを生かす 誰もが健康で活躍する社会」を
テーマに、新型コロナウイルス感染症対策などについて質問を行いました。
概要は以下のとおりです。
潜在看護職の活用について
全国で70万人と推計されている潜在看護職の活用について、2月4日の衆議院予算委員会で質問したところ、NHKで復職した看護師の活躍が
取材されるなど、注目が集まっている。また、ワクチン接種が全国展開される中で、復職看護師に向けたワクチン接種の研修も行われている。
ただ、そうした看護職の時給が各自治体によって違う。都市部と地方とでは物価や感染の広がりも違うが、看護師に対する専門性の
理解が乏しいのではと疑うような、低い時給の自治体もあるのが事実。こういった差異を国は把握しているのか。また、人材確保状況は
どうなっているのか。
【正林督章厚生労働省健康局長】
時給の差異は、網羅的に把握していない。看護職人材確保については、自治体宛に、都道府県ナースセンターや民間の職業紹介事業所を
活用した人材確保策、僻地のワクチン接種会場への看護職員の派遣などを周知しているところ。自治体の状況を適切に把握しながら、ワクチンの
接種が円滑に行われるよう、看護師の確保に向けた支援をしていきたい。
看護職夜勤要員について
コロナ禍により、臨地実習が十分に行えないまま卒業し、就職した新人が多くいる。そのため、例年より新人育成に時間がかかり、 夜勤要員が確保できず、非常に厳しい医療体制となっている。国としての策は講じているのか。
【迫井正深厚生労働省医政局長】
令和2年9月実施の日本看護協会の調査では、新人看護職員の夜勤の独り立ちをする時期が例年より遅れていると回答した病院が約3割あった。
厚生労働省では、令和3年度において、新型コロナウイルス感染症の影響による看護基礎教育での実習の経験不足を補い、就業先の新人看護職員研修では
補えない臨床現場での体験学習の機会を確保するための事業を実施している。また、新人看護職員を迎える各現場に対し、基礎教育の状況を踏まえた
丁寧なオリエンテーション、あるいはOJTの機会を確保した新人看護職員研修を計画するよう、令和2年12月に事務連絡を発出し、対応をお願いしている。
保健所などの体制支援について
令和3年度予算において、感染症対応の業務に従事する保健師を1.5倍、つまり2年間で900名増員することを決定していただき、
感謝している。だが依然として、保健師、保健所の現場は厳しく、混乱と不安を抱え、疲弊しているのが現状。
杓子定規に対応するのではなく、柔軟性をもって国として支えていただきたい。例えば、自宅療養を余儀なくされる要介護者や障害のある方への
ケアに関わる訪問看護や訪問介護事業者の人たちが報われるようにしていただきたい。
【赤澤公省厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長】
緊急的にサービスを提供することになった場合には、提供する予定のサービスの内容を事前に口頭で説明し、同意を得ていれば、必ずしもサービス提供前に
個別サービス計画等を作成する必要性はなく、報酬請求前までに作成すればよいものと考えている。柔軟な取扱いができると考えているところ。
子ども庁創設について
3月19日に子ども庁の創設に向けた緊急提言を官邸に提出し、菅総理大臣からも、強い決意を持って取り組むという発言をいただいた。 日本版DBS(子どもと関わる職業に就く者は雇用主への小児犯罪の前科がない証明書の提出を義務づける制度)の創設などに取り組んでいるが、 これは縦割りを克服し、府省庁横断の一貫性を確保するための強い権限と総合調整機能が必要だ。
子ども宅食について
令和2年度第3次補正予算で子ども宅食事業を含めた「支援対象児童等見守り強化事業」が計上されたが、全国の自治体では、翌年度の予算の見通しが 立たないという不安から、実施を躊躇している。予算の執行率と、事業の評価、今後の見通しを明らかにしてほしい。
障害者優先調達支援法について
国や地方公共団体が、障害者の雇用施設等々から優先的に物品やサービスを購入するという、障害者優先調達支援法があるが、あまり進んでいない。 障害者の方たちの経済面の自立に資するものであり、さらに進めていただきたい。
*衆議院厚生労働委員会での質問の様子は、衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリーからご覧いただけます。
審議中継こちらから
(掲載:[MINIアンフィニ]No.414 2021年4月14日号)
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