2023.01.27
常友 聡志さん
( Po-mellon/ 兵庫県看護連盟青年部副委員長 )
兵庫県看護連盟青年部は、若手看護職や看護学生に親しんでいただけるよう、今年度から名称を「Po-mellon(ポメロン)」に変更しました。これまでも、特に看護学生向けの活動に力を入れてきましたが、今回初めて看護学校の文化祭でプレゼンテーションをさせていただけましたので、ご紹介します。
今回ポメロンが訪問したのは、10月29日に開催された相生市看護専門学校の文化祭「相看祭」です。コロナ禍前までは地域住民の方も参加される、とても開かれた文化祭だったようです。コロナ禍となって学生と学校関係者のみの参加でしたが、とても熱気のある文化祭でした。そのような中で今回、私たちはブース出展させていただきました。文化祭というお祭の場で、学生の皆さんに看護の楽しさを感じて欲しいという思いで、あるプレゼンを企画しました。
それは「看護の未来をのぞいてみよう」というプレゼン企画です。開催日がハロウィン直前ということもあり、参加者にはハロウィンのメガネをかけてもらい、そのメガネを通して未来が見えるという仕掛けでした。まずは今日の目覚ましい技術革新を見てもらいました。例えば、移動技術の分野では、自動運転技術の進歩もさることながら、昨年7月にはスロバキアで空飛ぶ自動車が75km飛行しています。また、小売業の分野ではアメリカのシリコンバレーでAmazon Goという無人店舗が稼働していること、農業分野ではスマート農業というコンピュータテクノロジーを駆使して収穫までを自動化する取り組みが2030年までに実用化を目指していること、宇宙開発事業では2050年までに宇宙エレベーター建設の実現を目指している企業がある、などを紹介しました。
では、看護にはどんな未来が待っているのか。もちろん、技術革新により働き方が大きく変わる可能性も秘めてはいるものの、推計では将来の日本の生産年齢人口は大きく減少し、今以上に医療・福祉に携わる働き手の不足が懸念されています。今の看護学生にとってはまさに「自分ごと」です。また、今着手されている給与の問題についても、寝たきりと言われる給与体系のままで本当によいのか。そうした課題を考えてもらいました。
しかし、暗いニュースばかりではありません。こうした働き方改革や給与問題、安心して働ける環境づくりに取り組んでいる人たちがいます。それが看護連盟であり、看護協会であり、看護職国会議員をはじめとする多くの人たちです。これらの方々の活動や実績をお伝えしたところ、歓声や拍手をいただきました。人口減少社会も超高齢社会も、これまで誰も経験したことがありません。だからこそ、どんな将来がきても対応できるように、看護界が一丸となって頑張ろうと、参加者に伝えました。
総勢80名ほどの看護学生、卒業生の方々が来てくださり、とても熱気あふれるブースとなりました。学生の方からは「看護の将来って大丈夫かな…」と少しショックを受けたような意見もありましたが、一方で「このままなんて嫌なので、応援します!」という前向きな意見もをいただくことができました。
今回のプレゼンでは、石田まさひろ参議院議員と友納理緒参議院議員からもメッセージ動画をいただきました。学生からは「東大卒?!弁護士?!」という驚いた反応もみられ、看護職国会議員を知っていただく機会にもなりました。また、兵庫県出身で日本看護連盟本部の青年部担当の岡山尭憲幹事も来てくださり、熱弁を振るっていただきました。
文化祭でのプレゼンは私たちにとっても初めての試みでしたが、かしこまった研修会という枠組みでなかったからこそ、より身近なコミュニケーションをとることができたと思います。また、メインステージの歌やダンスの出し物もとても盛り上がっていて、私たちもエネルギーをいただくことができました!
相生市看護専門学校の皆さま、ありがとうございました!
(掲載:機関誌N∞[アンフィニ]2023 FEB-JUL)
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