レポート
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ビッグデータを活用して 生涯にわたる女性の健康管理を!

2024.07.31

世界の女性の健康のために日本で起業した、ウクライナ出身のアンナ・クレシェンコさん。
ビッグデータを活用した健康管理を行い、女性が「なりたい自分」になるためのサポートを行うアンナさんの描く未来を伺いました。

健康管理にテクノロジーを活用

アンナ・クレシェンコさんはウクライナに生まれ、2017年に来日しました。日本で起業し、自発的な女性の社会進出と社会全体の発展を目指して幅広く活動しています。

アンナさんは当初、「産後うつ」に対するサポートを提供していました。しかし、「メンタルヘルスの課題が発症した時点では出遅れているのではないか、もっと前にサポートしたほうがより効率のよいサポートができるのではないか」と考え、妊娠中や妊活中、さらには妊活前の月経管理など、女性の健康を生涯にわたって総合的に包括的にアプローチすることで、根本的な課題解決をめざすようになりました。

アンナさんは、解決のための方法としてFlora株式会社を立ち上げました。Floraは、思春期から更年期までの女性の横断的なビッグデータに基づいて症状や疾患の発症可能性を予測し、一人ひとりに合ったサポートを提供します。

「Floraにはデータサイエンティストや技術者が集まっており、その強みを活かしています。産婦人科関連業界では、フェムテックが十分に活用されていません。世界の約40%の女性は何らかの産婦人科系の病気を抱えているとのデータがあリ、WHOも”目に見えないパンデミック”と言っています。だからフェムテックは、社会的意義も経済的需要もあると考えています」

フェムテック(FemTech)はFemaleとTechnologyをかけあわせた造語で、女性が抱える課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことをいいます。Floraの事業はまさにこれからの社会全体を変えていくエネルギーを持っているように思えます。

「人は”なりたい自分になる”ことが大切で、女性の場合、生理痛からの解放、妊娠、避妊など、”なりたい自分”はさまざま。Floraでは、一人ひとリのなりたい自分を実現するためのお手伝いができたらと思っています」

そんなアンナさんは、当初、個人に合った製品を開発しようとしていましたが、個人ができることには限界があり、「社会・会社・組織が変わらないといけない」と気づきました。今、Floraでは、個人向けだけでなく、法人向けや自治体向けのサービスも提供しています。

ナースは自分を大切にしてほしい

男性看護師も増えてきたとはいえ、多くは女性である看護職。女性の健康を支えていきたいというアンナさんにメッセージをいただきました。

「看護師さんは自分を犠牲にしてでも患者さんのケアに頑張っている方も多いと思います。でも、自分のことも大切にしないと続かないですよね。Floraには女性のセルフケアに役立つ月経妊活アプリのFlora Appも用意しています。ぜひ、ダウンロードして、女性特有の課題に向き合ってお仕事していただければと思います」

 

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プロフィール

アンナ・クレシェンコ  Anna Kreshchenko

ウクライナのオデッサ出身。国立オデッサ大学国際関係学部を卒業。
2017 年に文部科学省の奨学金で来日。
2022年京都大学法学部卒業。
在学中の2020年にはアメリカ・シリコンバレーに渡航。
いとこの妊娠うつ発症により、女性の体とメンタルケアを目的にFlora 株式会社を日本で創業
*Flora 株式会社ホームページ


この記事はアンナさんが石田まさひろ参議院議員と対談したときに一緒に取材したものです。当日の動画がQRコードから視聴できます。

(掲載:機関誌N∞[アンフィニ]2024 MAR-JUN)

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