2020.03.26
田辺けい子
日本看護協会出版会 定価750円+税
無痛分娩は、明治末期から産婦人科医による研究が行われ、あの与謝野晶子も経験しているとか。
しかし、日本における無痛分娩は、漸増の傾向にあるものの、半数以上が無痛分娩という諸外国には到底及ばないのが現状です。それは、痛みを乗り越えてこそ母になるのだという日本人が長い時間をかけ醸成してきた価値観や、様々な立場にある人々の言説、マスメディアの取り上げ方等に起因するのだそうです。
本書は、助産師であり、現在は大学教員である筆者が、無痛分娩に関する研究成果をもとに、出産した女性、産科医、麻酔科医、助産師の語り等から、無痛分娩の現場をていねいに描いています。
特に、助産師の「自然出産」に対する語りは興味深いものでした。これからの無痛分娩への向き合い方は助産師が鍵を握っているといっても過言ではないでしょう。
(田中志保)
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