2020.03.25
友納理緒(弁護士)
国会議員を国政に送り出すために重要な活動には2つあります。
日ごろの「政治活動」と選挙期間の「選挙運動」です。それぞれの期間で、できること、できないこと、が違ってきますので、きちんと区別がつくようにしておきましょう。
政治活動とは、政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたものです。「広義の政治活動マイナス選挙運動=狭義の政治活動」ということです。
そうしますと、今、まさにこの時期は、選挙運動期間ではありませんので、政治活動期間ということになります。
選挙運動とは、①特定の選挙に、②特定の候補者の当選をはかることを目的に、③投票行為を勧めることです。皆さんのなかでは、よく3点セットといわれるかもしれませんが、この3点セットを行うことができるのが、選挙運動なのです。
それでは、選挙運動ができるのは(選挙運動期間)、いつからいつまででしょうか。
それは、「公示日」といわれる立候補の届出が行われる日から、「投票日の前日」までとなります。この期間は、衆議院選挙では12日間、参議院選挙では17日間しかありません。
お話してきたとおり、選挙運動期間は、選挙の投票日前日までの十数日間しかありませんから、ほとんどの期間が政治活動期間となります。
よって、この期間に、できること、できないことをしっかりと確認しておく必要があります。
政治活動期間にできること
選挙運動以外のことがすべてできます
• 連盟や候補予定者の後援会に入会すること
• 同僚・知人に入会を勧めること
• 研修会に参加すること
• 研修会参加の報告をすること
• イベントの手伝いをすること
• 看護と政治について仲間と話し合うこと
政治活動期間にできないこと
選挙運動ができない(事前運動の禁止)
• やってはいけないこと
→ 特定の候補者への投票をお願いすること
• 3要素
① 特定の選挙に「次の参議院選挙で」
②特定の人物への「●●さんに」
③投票を依頼「ぜひ投票してね」
選挙運動期間に入れば、選挙運動ができるようになりますので、電話やインターネットを使って直接投票の依頼等ができます。これはとても効果的です。
ただ、選挙運動ができる期間はとても短期間ですから、それまでの間に、多くの仲間を作っておく必要があります。そのために重要なのが、日頃の政治活動です。自ら候補者の後援会に入会するだけでなく、一緒に支援する仲間を増やしていくこと、人の輪を広げておくこと、それが選挙では大きな成果につながります。
繰り返しになりますが、政治活動期間にできないことは「①特定の選挙で②特定の候補者への③投票を依頼すること」です。政治活動として、看護師出身の国会議員の活動を紹介したり、私たちにとってより良い政策を実現するためには法律を作る国会議員の力が不可欠であることを伝えたり、その国会議員をともに応援しようと誘うことは、何の問題もありません。
みなさんもどうか正しい理解のもと、積極的に日頃の政治活動に取り組んでいただければと思います。
著者プロフィール
弁護士・土肥法律事務所・第二東京弁護士会所属
2003年 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科卒業 (看護師、保健師免許取得)
2005年 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科博士前期課程修了
2008年 早稲田大学大学院法務研究科修了
2011年 弁護士登録
2012年 都内法律事務所 (新宿区) に勤務
2014年 衆議院議員政策担当秘書として出向(~2016年12月)
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