2022.11.28
門田 広美(延岡看護専門学校 副学校長)
2022年9月18日、九州に上陸した台風14号は、各地で大きな被害をもたらしました。9月19日~9月29日に、台風14号が起こした内水氾濫と土砂流入により甚大な被害を受けた宮崎県延岡市内の住宅地で、延岡看護専門学校の学生16名と看護教員6名がボランティア活動を行いました。
初のボランティア活動
普段は医師会会員が運営する医療機関で看護助手や准看護師として働きながら勉強している学生たちにとって、被災地でのボランティア活動は初の経験です。役に立てるだろうかと不安を口にしていましたが、いざ活動を始めると互いに声を掛け合い、住民と笑顔で打ち解ける姿に、若者の底力を感じました。
ボランティア活動を通して得たもの
社会福祉協議会が活動場所をコーディネートしてくださり、自分たちの車に分乗して現場へ向かいました。水を含んで重くなった畳をはぎ取る作業、床下にもぐって大量の泥をかき出す作業、泥水に浸かった家具や家電を運び出す作業等、すべて手作業であり、汗だくで泥まみれになりました。
准看護師課程2年の男子学生は「1日かかっても1軒の家の片付けが終わらず、人手が足りないと感じた。また参加したい」と意気込みを語りました。看護師課程3年の女子学生は「浸水した物でも、住民にとっては大切な思い出の品であることを感じる場面があり、被災者への配慮の姿勢を学ぶことができました」と活動を振り返りました。
これからの自分に活かせる経験
自宅周辺や田畑が被災した看護教員は、被災直後からボランティアに加わり、県外からの支援者たちにおにぎりの炊き出しを続けました。
高齢者の方からは「一人ではどうにもならず、途方に暮れていました。学生さんが来てくれて、心が元気になりました」とお礼の言葉をいただきました。
ワクチンを接種していたので、コロナ禍でも安心して活動ができたことは新たな気付きでした。学生たちが被災地の支援活動で得た地域住民とのつながりや被災者に寄り添う心は、これからの看護業務や勉学に活かされると思います。激甚災害に指定され、復旧への希望が見えましたが、まだ自宅に戻れず一時避難している被災者たちのことを思うと、これからも看護職としてお手伝いできることがあるのでは、と感じます。
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