Japanese City Pop100 selected by Night Tempo

日本の「シティ・ポップ」ブームが、欧米や韓国などで続いている。その立役者となったのが、本書の著者、韓国人プロデューサー・DJ のNight Tempo。ザ・ウィークエンドが最新作でサンプリングした「Midnight Pretenders」の亜蘭知子、インドネシアのYouTuber・レイニッチがカバーして世界でリバイバル・ヒットした「真夜中のドア」の松原みきをはじめ、幅広い歌手の100の名曲が紹介される。

曲の解釈は深く、新しく、とにかく言葉に愛とリスペクトが凝縮されている。ボーカル菊池桃子の黒歴史と呼ばれてきた（らしい）RA MU「Rainy Night Lady」、今ではお騒がせタレントのイメージが強い泰葉の「フライディ・チャイナタウン」など、埋もれていた曲も全力でリコメンドされる。各々の曲がもつ力・良い面が掘り起こされ温かく言語化されていることに、なぜか泣けてくる。それに、どれもいい。 聴きたい曲に付箋を貼れば、本は付箋で膨らむだろう。読み終えて残るのは、何よりも多幸感だ。

（紹介：Floating Stories）